保健所のペーヂ
衞生勞働者よ—と或る日の感想
小堀 源吉
1
1栃木縣栃木保健所
pp.318-319
発行日 1947年1月25日
Published Date 1947/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200102
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子供の頃,はじめて町め芝居を見にいつた。どんな芝居だか忘れたが,場面が變るたびに,いわゆる廻り舞臺になつていて,數人の男が一生懸命柱にしがみついて,足で舞臺を廻しているのが私の目をひいた。華やかな劇が演ぜられる裏面に,こういつた目立たない重要な人々がいるのだなあと,子供心に感じた。
この世の人生劇場に於ても,舞臺の前面にFoot-lightをあびて華やかに踊る人と,舞臺裏でこつこつ汗を流している人とがある。又きらびやかな山吹の花を手にしながら,舞臺裏からのこのこ前面に出てきて,うまく人目をひいて拍手に迎えられる人もいる。
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