発行日 1949年9月15日
Published Date 1949/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906521
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看護婦という仕事
本誌 第二號で羽仁説子氏は,「たしかに看護婦さんの仕事は美しい仕事である」と,看護婦の仕事の近代的な美しさをたたえたのち,「ところが實際はどうであるか?」と,疑問を投げ,現實の看護婦の生活が,映畫や物語でみる理想の看護婦と遠いものであることを説いていられる。
たしかに,看護婦という仕事は,仕事そのものに使命感を必要とする「博愛」の仕事である。この點,純粋に收入を目的とした職業とは異るのであつて,誰でもかまわずなれるものではない。それは,肉體的に,したがつて大てい精神的にも,むしばまれた人たちの看護を仕事とするのであるから,女性の中にある母性的な,やさしい心づかいをうちこまなくては,到底完全にすぐれた看護婦であることはできない。また,看護婦自身も,その仕事に意義を感じるのでなければ,仕事をしていても非常に不幸である。だから,現在看護婦である人たちの中には,「博愛」の仕事としての使命感が,看護婦となる動議であつたという人も相當ある。また,生涯を看護婦として過ごしている人たちは,多かれ少なかれこの仕事の使命感に生きている人たちである。
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