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次号予告・あとがき
高鳥毛 敏雄
pp.784
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102851
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平成24(2012)年9月にイングランド北部都市のリーズでPublic Analyst, Trading Standards Officer,Environmental Health Officer(EHO)に会う機会がありました.Public Analystは1860年から現在も存在する飲食物の分析を行う自治体の専門職です.EHOは公衆衛生制度の誕生とともに存在している自治体の「監視員」です.自治体において現在まで一貫して対物衛生業務を担当し続けています.わが国では対物衛生にかかわる分野は,戦後,獣医師,薬剤師などの専門職によって担われるようになりました.その教育訓練は現任教育に負ってきました.近年,専門制の必要性が高まり,大学の学部・大学院の教育的役割が重要されてきています.
ところで,平成25(2013)年2月にコペンハーゲン大学で獣医師教育システムを学ぶ機会がありました.ここでは,行政,大学と企業が協働して人材育成と教育がなされていました.EU諸国における獣医師教育の共通化もはじめられていました.農業国の食品安全の専門職に対する力の入れ方がさすがに違うと感心させられました.この分野の専門職の資質向上を図ることは国民の健康と安全の確保のためには必要,不可欠となっています.本特集は,対物衛生にかかわる専門職の歴史,大学教育,行政の現場,地域の現場などでの現状と課題を見つめるよい機会となりました.ご執筆者の皆さんに御礼を申しあげます.
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