特集 血液事業のトピックス―身近な献血からiPS細胞の活用まで
血液製剤の安全性確保のための新興感染症などへの対応
百瀬 俊也
1
1日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター・製剤一部
pp.635-642
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102808
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はじめに
近年は,ボーダーレス化,グローバル化によって人々と物資の移動が活発になり,気候温暖化と併せて新興・再興感染症が新たな脅威として身近なものとなりつつある.これらの感染症に対する輸血用血液製剤の安全性を確保するために,直ちに導入できるスクリーニング検査が存在するとは限らないので,献血時の問診で補完することは重要である.
2009年に流行した新型インフルエンザ(A/H1N1),ウエストナイルウイルス(WNV),シャーガス病に対する日本赤十字社の献血血液への対応について説明し,新興・再興感染症に対する輸血用血液製剤の安全性を確保するための対策について述べる.
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