連載 講座/健康で持続的な働き甲斐のある労働へ―新しい仕組みをつくろう・13
労働関連疾患としての循環器疾患,糖尿病,不眠症などの実態,予防対策―働く人の疾病予防と健康づくりのために
吉岡 英治
1
,
西條 泰明
1
,
岸 玲子
2
1旭川医科大学健康科学講座地域保健疫学分野
2北海道大学環境健康科学研究教育センター
pp.322-326
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102715
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労働関連疾患とは,素因や生活習慣とも関連があるが,労働条件や作業が疾病の発症を早めたり増悪させたりする可能性のある疾患であり,循環器疾患や筋骨格系疾患,精神疾患などがこれに当てはまる.労働要因として,長時間勤務,交代性勤務,職業性ストレス,職業階層,単身赴任などが指摘されている.
今後の日本における労働関連疾患に関する課題としては,以下の項目が挙げられる.
①健康障害リスクとなる労働環境に関する研究の推進.
②国の健康政策全体の中で,働く人のより健康な労働生活の優先順位を現在より上位に位置づける.
③産業保健活動の科学的評価を組織的に実施し,産業保健の事業や政策の質を高めていく.
④健康障害リスクの大きい環境に置かれている非正規雇用者や零細中小企業の社員などへも,適切な産業保健サービスを提供できる体制を早急に整える.
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