特集 転換期の結核対策―医療と予防
地域の結核医療
①北海道の結核医療体制の現状と課題
鎌田 有珠
1
1独立行政法人国立病院機構北海道医療センター呼吸器内科
pp.274-277
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102703
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はじめに
結核の管理が結核予防法から感染症法に移行するに伴い,入退院基準が改変され,在院日数は短縮された.結核発生の減少も相俟って,必要とされる病床数は減少の一途にある.同時に病床稼働率は低迷して不採算性が顕在化し,全国で相次いで結核病床が削減される傾向にある.
北海道は罹患率が低く,発生も順調に減少しており,この傾向はさらに顕著である.広域の北海道においては,遠方の結核医療機関への移動を余儀なくされるとの問題がしばしば起こる.
本稿では,北海道における結核医療体制の現状と課題について報告する.
近年のわが国の結核発生状況について論ずる場合,「高齢者」,「合併症」,「外国人」,「多剤耐性結核」などがキーワードとなる.特に前二者は複合することが多く,今後さらに大きな課題となるものと考えられる.
基礎疾患,合併症への対応を中心として,筆者の勤務する施設における結核診療概況について,併せて報告する.
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