Japanese
English
連載 医師の働き方改革――取り組みの現状と課題・Vol.6
オンコール体制の現状と課題
Current status and issues with on-call system
平松 祐司
1
Yuji HIRAMATSU
1
1筑波大学附属病院長
キーワード:
オンコール体制
,
労働時間該当性
,
労務管理
Keyword:
オンコール体制
,
労働時間該当性
,
労務管理
pp.333-337
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295040333
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
SUMMARY
医師の働き方改革に関する課題は,時間外労働のみならず当直やオンコール体制にもある.オンコール体制は施設ごとに異なり,法的な整理も曖昧で,多くは給与支給の対象とされていない.オンコールの頻度や時間数の規制もなく,働き方改革の議論から欠落している.このボランティア的なオンコール体制は,地域や国が求める社会保障や医療提供体制のあり方に沿うように整備されてきたものであり,昨今の全国的な病院の経営危機のなかにあっては,オンコール待機医師への手当てを可能とするような診療報酬の改定を望みたい.オンコールエフォートの取り扱いを曖昧なまま放置すれば,オンコールの少ない勤務環境を選ぶ医師が増え,日本の医療提供体制や医育機能のサステナビリティを揺るがす可能性がある.次世代の医療を担う若手医師たちが憂いなく指導者や教育者を目指して,診療,研究・教育に没頭できる労務環境や給与体系を整えることを真剣に考えるべきときである.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.

