特集 自治体行政と公衆衛生
【地域保健法成立後の地域の公衆衛生体制の推移と課題】
北海道における公衆衛生体制の推移と課題—北海道の公衆衛生のあゆみ
山口 亮
1
1北海道釧路保健所
pp.51-56
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208345
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保健所を取り巻く社会情勢について
1937年に保健所法(旧法)の制定により,地域における公衆衛生の中心的機関として位置づけられ,全国に49の保健所が設置された.そのうちの1つが北海道旭川保健所である.その後,1947年9月に保健所法が全面改正され,従来の警察行政の一環として行われてきた衛生行政を保健所が第一線機関として行うこととなった.警察署も保健所も旧内務省の関係の役所のためか,現在でも地方の一部では警察署と保健所の両者が並んで建っていることもある.
その後,感染症対策が着実に効果を上げる一方,人口の少子・高齢化や慢性疾患を中心とする疾病構造の変化に加え,地域住民のニーズの多様化など,保健衛生行政を取り巻く環境の変化を踏まえ,1994年6月には保健所法が改正され,これに基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」が定められ,1997年4月には全面的に保健所法が地域保健法に改正された.
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