特集 転換期の結核対策―医療と予防
地域の結核医療
④長崎県の結核医療体制の現状と課題
川良 数行
1
1長崎県福祉保健部医療政策課
pp.287-291
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102706
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長崎県は九州の西北部に位置し,海を含めた県域は東西213km,南北307kmにも及ぶ.その中の陸地(総面積4,104km2,2008年10月1日現在)は平坦地に乏しく,至るところに山岳,丘陵が起伏し,海岸線は多くの半島,岬により複雑な地形をなしている.長崎市(中核市),佐世保市(政令市)を含む13市8町は8つの2次医療圏(図1)に区分され,その中に県立保健所が各1か所(うち離島が4か所),1中核市保健所,1政令市保健所の,合計10保健所がある.
人口は約143万人(2010年国勢調査)で,1960年をピーク(約176万人)として,1985年以降,毎年減少している.特に離島の人口は1955年以降一貫して減少しており,1980年を100とした指数は,2010年で県全体が89.7(全国109.4)に対し,離島は53.9と大幅に減少,現在の人口は約13万人である.県全体の65歳以上の高齢者人口は年々増加しており,2010年は26%に達している.また,圏域別の高齢化率では,対馬圏域を除く離島圏域および県南圏域(島原半島)ですでに30%を超えている.将来の人口推計では,2035年には約112万人に減少する一方,高齢化率は2020年に30%を超え,高齢者数は,2025年まで増加することが予測されている.
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