特集 慢性腎臓病~CKD
地方自治体におけるCKD対策プロジェクト
髙本 佳代子
1
1熊本市健康づくり推進課
pp.213-217
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102684
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はじめに
熊本市は,末期腎不全による慢性人工透析者数の割合が,全国平均の1.4倍と高い水準にあることから,慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:以下,CKD)を健康課題として捉え,住民の健康を守るため,2009年から「5年間で,新規に透析導入に至る人を,年間300人から全国平均値となる200人に減らす」という数値目標を掲げ,CKD対策を開始した.
市のCKD対策の特徴は,ハイリスク・アプローチとポピュレーション・アプローチとを組み合わせて,CKDの予防,早期発見・悪化防止に向けた総合的な対策(図1)を,多くの市民や関係機関・団体と協働で展開しているところである.そして,CKD対策の中心であるCKD病診連携システムや栄養連携システムなどを構築し,2年連続で新規導入者が減少するなどの成果が得られた.
そこで今回,CKD対策プロジェクトの取り組み概要,対策の中心となる病診連携システム構築の形成,および持続可能要因などについて述べたい.
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