特集 広域・複合災害に備える―自治体の公衆衛生活動
東日本大震災の復旧復興に向けた支援―阪神・淡路大震災の経験を生かして
井戸 敏三
1,2
1関西広域連合
2兵庫県
pp.925-928
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102281
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
3月11日に発生した東日本大震災は,東北地方を中心に甚大な被害をもたらしました.死者・行方不明者は約2万人にのぼり,今も多くの方々が全国各地で避難生活を余儀なくされています.
私たちも16年前に阪神・淡路大震災に見舞われましたが,その時とは様相が大きく異なっています.阪神・淡路大震災は,断層に沿った東西30km,南北2~3kmの被害でしたが,今回は面的に広範囲にわたる災害です.大津波によりまちが根こそぎ流され,跡には土砂や木材破片などが一面に広がる惨状です.その被害の大きさや,原子力事故との複合災害であること,住まいなどの生活基盤の喪失や行政機能の低下,農林水産業と関連製造業が大きな被害を受けていることなど,多くの点で阪神・淡路大震災と様相が異なる大災害です.
しかし,私たちが積み上げてきた震災の経験と教訓は,東日本大震災の復旧復興にも必ず生きる.その思いで被災地支援を続けています.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.