特集 放射線と向き合う
農産物生産環境の放射性物質モニタリング
木方 展治
1
1(独)農業環境技術研究所土壌環境研究領域
pp.846-850
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102257
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はじめに
2011年3月11日に発生した東日本大震災に起因する東京電力福島第一原子力発電所の事故(以下,福島原発事故)は,福島県を中心とする東日本に広域の放射能汚染を引き起こした.事態は非常に深刻なものであるが,放射能汚染が私たちにとって全くの初体験かと言うと,そうではなく,かつて盛んであった大気圏内において行われた原水爆実験(以下,大気圏内核実験)は,長期にわたり地球全域を汚染し続けていた.この当時の汚染状況を監視するために,農産物およびその生産環境の放射性物質のモニタリングがその当時から始められ,今も継続して行われている.現在,東日本の放射能汚染地域の置かれている状況がどのようなものであるかを冷静に判断するために,過去の放射性物質のモニタリングデータを知っておくことは有用であろう.
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