研究
一農漁村における妊産婦実態調査
香田 冨美子
1
,
小西 愛子
1
,
島崎 茂代
1
,
中野 幸子
1
,
浜口 須磨子
1
,
山口 京子
1
,
脇川 貴久子
1
1長崎大学医学部附属助産婦学校
pp.53-56
発行日 1965年1月1日
Published Date 1965/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202905
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I.まえがき
わが国の妊娠婦死亡は,欧米の諸国に比較して,かなり高率と言われているが,戦後復興とともに,大都市はもちろん,地方においても,医療施設ことに母子健康センターの設置,発展等は目ざましいものがあり,近年妊産婦対策は重要な問題として熱心に取上げられている.
しかしながら,実情をみれば,都市はともかく地方においては,妊産婦対策は末端までは十分にゆきわたっておらず,そのために当然おこってくる妊娠分娩に関しての知識の不足はもとより,貧困,または無医村等で医療に恵まれない事情等のために,妊娠中ほとんど検診も受けられず,かりに病状があっても,知らぬうちに悪化させ重篤な結果を招くようなこともあるので,まだまだ,今後とも,残された問題は多くあるものと思われる.
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