連載 技法=以前・13【最終回】
「脳」から「農」へ
向谷地 生良
1,2
1浦河べてるの家
2北海道医療大学
pp.100-105
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100615
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「べてるはホカホカの黒土です」
べてるの家の日常を撮ったドキュメンタリー作品『ベリーオーディナリーピープル――とても普通の人たち』(全8巻)が自主制作されたのは今から15年ほど前のことである。
この作品は、新潟市に在住し全国各地で地域おこしアドバイザーとして活躍され、今でも継続的にべてるの支援を続けてくださっている清水義晴さんの「べてるの映画をつくりたい」という思いに、福島・会津若松の商店街が応えたのが始まりだった。街の活性化について清水さんに支援を仰いでいた会津若松の商店街の人々は、チャリティ募金をして製作資金を寄付してくださった。おもしろいことに、清水さんをはじめ商店街の人々が「べてるの映画作り」を企画したのは、決して精神障害者のことを理解しようと考えたからではなく、その目的はあくまでも商店街の活性化であり街づくりだった。
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