沈思黙考
DRG(Diagnosis Related Group)へのシフト
林 謙治
1
1国立保健医療科学院
pp.384
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102121
- 有料閲覧
- 文献概要
1年ぶりにWHOマニラの事務局長Dr. Shin(申)が当国立保健医療科学院に訪問して下さった.実は申先生は30年前私がエール大留学時の同級生である.私は周産期疫学を専攻したが,彼は患者分類で有名なFetter教授につき,当時進行中の患者分類研究プロジェクトに参加した唯一の東洋人であった.患者分類のコンセプトは連邦政府の着目するところとなり,後にDRG(Diagnosis Related Group)として発展していった.しばらくして日本でもDRGが話題になった頃,現在東京医科歯科大学教授の川渕孝一先生(当時国立病院管理研究所)のご紹介で,アジアにおいて議論が進んでいる韓国医療経済研究所を訪れた.なんとソウル大教授であり,経済研究所所長を兼務されていた申先生が迎えに出てくれて,再会を喜んだものである.
当院ではWHOの研修プロジェクトを委託されている関係上,前事務局長の尾身茂先生もたびたびいらっしゃいましたが,その引き継ぎで本院を訪ねてくださったDr. Shinが,昔の同級生の申先生とは思いもしなかった.誠に奇縁である.アメリカで発展したDRGのシステムを日本や韓国のようにすでに社会保険制度を出発させた国でどのような形で構築できるか実験が行われてきたが,申先生も苦労したせいか,他国でできたシステムを導入するのは簡単でないと述懐しておられた.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.