映画の時間
人生でやり残したこと,ありませんか?ふたたびswing me again
桜山 豊夫
pp.1057
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101988
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11月号(74巻11号)の本誌で,牧野正直先生が「ハンセン病の歴史に学ぶ」と題して「視点」欄にご寄稿くださいました.ハンセン病を描いた映画としては,「砂の器」(1974年,野村芳太郎監督作品)が有名です.芥川也寸志が音楽を,川又昻が撮影を担当し,親子の宿命を描いた佳作でしたが,公開当時,ハンセン病患者の描き方に関して多少議論があったと記憶しています.今月ご紹介する「ふたたび」もハンセン病の親とその子を背景にした映画です.30年余りの時の経過が,同じようにハンセン病を描いてもタッチの違う映画を作り出したと考えると,興味深いものがあります.
瀬戸内海の小島から聞こえるトランペットの音色.映画の冒頭はそんなシーンです.実はその小島にはハンセン病の療養所「大島青松園」があり,トランペットを吹いていたのは,その入園者だったのです.
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