連載 人を癒す自然との絆・13
平和の種をまくコミュニティ・ガーデン
大塚 敦子
pp.692-693
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101875
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ソ連崩壊後から1990年代の前半にかけ,世界各地で民族紛争が起こったことを記憶している人も多いだろう.旧ユーゴスラビア連邦の一員だったボスニアでは25万人もの人が命を奪われる悲惨な戦争があり,「民族浄化」という言葉まで生まれた.
戦前のボスニアは,人口およそ430万人のうち,ボシュニアク(モスリム人)が約4割,セルビア人が約3割,クロアチア人が2割弱という比率で,異なる宗教を持つ3民族が共生する国だった.戦後15年近く経ついまなお,3者の政治的対立のために人口動態調査が行われていないので,現在のボスニアにはどの民族がどのくらい存在するのかわかっていない.難民の流出により,30万人ぐらい減っているだろうというのが大まかな推測である.
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