余白のつぶやき・17
ガーデンパーティ
べっしょ ちえこ
pp.1333
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919123
- 有料閲覧
- 文献概要
大阪千里山で、保良せきさんの米寿の祝賀会が催され、私も伝記の執筆者として招かれて行ってきた。看護界や教育界から、彼女にゆかりの人が五百人も集まるという盛大な会であった。
その日のためにご子息から贈られた、ピンクの総レースの豪華な衣装がよく似合って、保良さんはさながら客間の女王といった貫禄。彼女が足をとめ、彼女が歩を進めるところへ、満堂の、視線という視線、嘆声という嘆声がなだれるのである。こういう人を花のある人というのだろう。幼稚園時代保良さんの教え子だったというオペラ歌手の東敦子さんが、特別出演でアリアを数曲歌ったけれど、さすがの世界的プリマも、押し出しという点では老師に一歩ゆずった。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.