連載 保健所のお仕事─健康危機管理事件簿・3
集団胃腸炎への対応―(平成14年度)その3
荒田 吉彦
1
1北海道保健福祉部医療政策局地域医師確保推進室
pp.500-503
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101826
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警察は警察,消防は消防です.言うまでもないことですが,名称が変わることはありません.ところが,保健所はどんどん名前が変わっていきます.現在の保健所の名称は全国様々であり,機構改革のたびに耳慣れない名称に変わります.北海道でもこの4月,「保健福祉事務所保健福祉部」から「保健環境部保健福祉室」に変わりました.なぜ,こんなことになってしまうのでしょう.私は「保健所」に就職したつもりでいたのに…….
さて,先月号の続き,小中学生を中心とする大規模集団胃腸炎その3です.
少しおさらいをします.平成15年1月24日(金)に少なくとも500名を超える集団胃腸炎が発生しました.患者たちはいずれもA町の学校給食を食べています.その後の検査において,患者便から黄色ブドウ球菌が生えてきているとの情報を得たこともあり,24日の給食による黄色ブドウ球菌による食中毒も視野に入れ,早期解決への淡い期待を抱きました.しかし,26日(日)夜には患者便からSRSV(小型球形ウイルス.その大部分はノロウイルスであり,ここで検出されたのもノロウイルスなので以下はノロウイルスと表記)が検出されたという情報が入ってきたため,2次感染防止の観点からこのことを公表した,というところまでが前回までのあらすじです.今回はデータ中心の内容で堅苦しく感じられるかもしれませんが,しばしお付き合いください.
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