特集 公衆衛生再考
コミュニティヘルスの展望―現場から考える地域保健の将来
佐甲 隆
1
1伊賀保健所
pp.194-198
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101750
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政権交代で政治状況も大きく変わろうとしている.その是非を論じるには早すぎるが,地域保健の基本指針の見直しも検討されている折から,しっかりとした地域保健の将来展望を見据えて,改革を進めていくべきであろう.
しかし現代は将来展望が描きにくい時代である.それは,社会が多様化・複雑化し,人々のつながりが希薄になり,人間が生きていく支援的基盤としての家族やコミュニティが不安定に揺らいでいることとも無関係ではない.そこから派生した健康格差問題や自殺,社会的暴力などの新たな健康課題に取り組むには,時代感覚に応じた地域保健活動(コミュニティヘルス)を再構築し,展開できるかが問われる.揺れる時代には原点に戻って活動の本質を考え,将来像に思いをめぐらせたい.
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