連載 保健師さんに伝えたい24のエッセンス―親子保健を中心に・7
身体発育:乳児を中心に
平岩 幹男
1,2
1国立成育医療センター
2Rabbit Developmental Research
pp.783-786
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101658
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はじめに
身体発育は計測によって把握することができ,統計上の数値との比較もできますから,子どもの発育の評価としては最も一般的です.一般的には身体発育の評価は,体重,身長,頭囲,胸囲および体重と身長からの計算値[Kaup指数,BMI:Body Mass Index(体重kg/身長m2)]によって行われています.乳幼児の場合には,厚生労働省による平成12年度の乳幼児の身体発育のデータを用いて評価することが一般的です.
乳児期では,体重の増加が最も重要な指標であり,これは体重増加不良が大きな問題となるためですが,乳児期の体重は出生体重に影響されるため,通常の成長曲線だけではなく,出生体重別の成長曲線を用いて評価することが大切です.もちろん体重の絶対値だけではなく,個人個人の増加率も重要です.
なお最近,外国籍の住民が増加していますので,乳幼児健診や育児相談でも外国人への対応が必要とされることがあります.乳児期には身体発育値自体は民族による差は大きくないのですが,育児に対する考え方などは大きく異なることがあります.一方的に指導すると思わぬトラブルを招くことがあります.特に体重増加不良に対しては,わが国では過剰に判断する傾向があり,特に対応には注意が必要です.
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