連載 保健師さんに伝えたい24のエッセンス―親子保健を中心に・8
身体発育:幼児期をめぐって
平岩 幹男
1,2
1国立成育医療センター
2Rabbit Developmental Research
pp.865-868
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101678
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はじめに
乳児期では体重増加不良を中心とした対応でしたが,幼児期の身体発育では,肥満ややせ,低身長も重要な問題となります.幼児期には体重・身長とも乳児期の急速な伸びから,ほぼ直線的な伸びの傾向を示します.体重については絶対値よりも,身長とのバランス(Kaup指数)での判定が中心になりますが,増加不良あるいは減少の仕組みは乳児期と同じです.肥満の問題が出てきます.身長については,伸びが悪い低身長が時に発見されます.学童期以降に見られる疾患による高身長は乳児期にははっきりしません.頭囲は乳児期と同じように急速な増加に注意する必要があり,身体的バランスに比べて頭囲が大きい場合には,家族性の大頭症が最も多く,その他に軟骨異栄養症などがあります.頭囲の増大に発達の遅れが合併するときには,Alexander病などの変性疾患も視野に入れる必要があります.胸囲は気管支喘息による肺気腫や縦隔腫瘍などによる増加が稀に見られます.体脂肪率については以前に調査したことがありますが,成人では女性のほうが多いのですが,幼児期には男児のほうが女児よりも2%程度多くなっていました.
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