研究報告
飯田・下伊那における乳児発育値調査
村沢 綾
1
,
丸井 きよゑ
1
1日本看護協会保健婦会飯田下伊那支部
pp.46-56
発行日 1968年7月10日
Published Date 1968/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204226
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I.はじめに
近年母子衛生の向上により,乳児死亡率は減少の一途をたどりつつあり,全国統計では昭和36年28.6,39年20.4,40年18.5と低下し,飯田保健所管内においても昭和36年16.4,昭和39年13.3に改善されてきている。
乳児発育値においても当然上昇していると思われるが,既存の統計値として昭和35年の厚生省全国発育値が最新のものであり,昭和25年との比較において,身長ではとくに大きい伸びはみられないが,乳児期後半の各月齢で1%以上の上昇がみられ,体重では各月齢とも3〜8%の増加があって,特に後半月齢児の発育が著しく,1〜2ヵ月の促進が認められている。その後の生活水準の向上のなかで,われわれは日常の乳児指導に当って,昭和35年厚生省値を目標としてよいのであろうか。一体当地方の平均発育値はどの位なのであろうか。という問題に当面していた。たまたま保健婦会飯田下伊那副支部の昭和39年度事業の中で,会員の希望により調査研究を実施することになった折,上記の乳児発育値の問題は,どの市町村においても必要であることと会員全員で取組めることの2点から,これを調査課題とすることに決定し,統計学の勉強もあわせ行なうことにした。そして当飯田・下伊那地方の平均発育値を求め,かつ発育に関係する要因を検討することにより,今後の乳児指導の指針を確立したいと考えたのである。
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