報告
非対面減量プログラムを用いた保健指導者による12地域同時介入の試み
足達 淑子
1,2
,
田中 みのり
1,3
1あだち健康行動学研究所
2日本予防医学協会
3あだち循環器科内科クリニック
pp.674-679
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101390
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メタボリックシンドロームや2型糖尿病の予防には半年間で5%程度の減量が目標とされ,行動療法が推奨されている1).肥満の行動療法はすでに評価が確立し,近年,日本でもその成績が散見されるが,専門性や時間の制約から普及は十分とは言えない.一方,行動療法は治療構造が明快なため自己教材や通信による治療が可能で,コンピュータやインターネット(以下IT)の活用も積極的に検討されている2).
足達らは,個別助言を自動化した減量支援プログラム(健康達人減量編,オムロンヘルスケア(株);以下KTP)3~5)や,簡便な生活習慣改善プログラム(以下SP)6)を開発し,目標行動設定と1か月間の自己監視で約1kgの減量が可能で3~6),観察のみで半年間は減量が促進すると報告した4).しかし,それらはKTP利用者や研究応募者,職域のSP参加者などに限られたものであった.もし,現行の地域の保健事業でこれらを適用できれば,保健師らによる行動変容指導を補完する有用なツールになりうると考えた.同時に保健指導者の行動変容技能の向上も重要課題となっており,1980年頃より種々の習慣について研究がなされている.日本では中村ら7)が禁煙教育について報告し,足達ら8)は減量教育技能の獲得には疑似体験や実践が必要と報告した.
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