特集 感染症の危機管理―関連法規改正後の新たな展開
新たな結核対策と感染症危機管理機能の強化―都道府県の立場から
阿彦 忠之
1,2
1山形県健康福祉部
2山形県衛生研究所
pp.836-840
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101165
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結核予防法が廃止され,2007年4月からは,改正後の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下,感染症法)」に基づいて結核対策が実施されている.
この制度改革について,厚生科学審議会の感染症分科会結核部会が2002年3月に取りまとめた「結核対策の包括的見直しに関する提言」には,「将来的に結核罹患者数及び死亡数等が減少した場合には,他の感染症対策とともに一貫した対策を行うことも必要である」としながらも,「現段階では,結核及び結核対策を取り巻く特殊性に基づいて独立した対策を維持することが適当である」との基本方向が示されていた.つまり,感染症法への統合は「時期尚早」であり,当面は結核予防法のもとで対策を強化すべきという提言であった.2004年の結核予防法及び関係政省令の大幅改正は,この基本方向に沿ったものと言ってよい.
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