連載 感染症実地疫学・16
アウトブレイク:海外① カンボジアにおけるポリオ予防接種キャンペーン
上野 久美
1
1国立感染症研究所感染症情報センター
pp.345-349
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101046
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ポリオをめぐるわが国の現状
ポリオ(急性灰白髄炎)は,ポリオウイルスによる急性弛緩性麻痺(acute flaccid paralysis:AFP)に特徴付けられる疾患で,ウイルスには1型,2型,3型の3つの血清型がある.わが国におけるポリオの症例数は,1960年の大流行の翌年にカナダおよび旧ソ連から緊急輸入した生ポリオワクチンによる1,300万人の小児に対する緊急接種後,1964年に国産生ワクチンを使用した定期接種が開始されてから激減し(図1),1980年の症例を最後に報告はなく,国内における流行は確実に抑えられている.
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