連載 全国いきいき事例ファイル・2
「地産地消」で健康づくり―大分県日田地域での取り組み
藤内 修二
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1(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.694-697
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100950
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ここ数年,「地産地消」という言葉を耳にする機会が増えた.古くは「身土不二」「三里四方の食によれば,病知らず」という考えにも通じるし,新しいところでは1989年にイタリアのブラで始まった「スローフード運動」とも重なる部分が多い.平成12年3月に3省(厚生省・農林水産省・文部省)合意で発表された「新しい食生活指針」にも,「食文化や地域の産物を活かし,…」という記述が見られる.
こうした「地産地消」をキーワードに,農政部局では,地元産野菜の消費拡大による農業収入の向上をめざした取り組みが行われている.一方,保健部局では,食生活改善推進員などが「新しい食生活指針」に基づいた食生活の改善に向けて普及啓発活動を行っている.これらの取り組みが結びついたときに,よりその効果が期待できると考えるが,残念ながら,保健部局と農政部局の協働による取り組みは多くない.
大分県日田地域では,平成13年度から「地産地消で健康づくり」をめざし,農政部局と保健部局,県と市町村という枠組みを越えた取り組みが試みられ,ユニークな展開が行われている.本稿ではその取り組みの経過を紹介する.
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