特集 地域を支えるリハビリテーション・カンファレンス
全県下での展開
大分県の地域ケア会議への取り組みに関するリハ専門職のかかわり
河野 礼治
1,2
1公益社団法人大分県理学療法士協会
2介護老人保健施設梅桃
pp.364-367
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200386
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地域包括ケアシステムにおける地域ケア会議について
現在,高齢者の尊厳保持と自立生活支援の目的のもとで,可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう,地域の包括的な支援サービス提供体制として,地域包括ケアシステムの構築が推進されています。これは,地域住民のニーズに必要なシステムを考えることが重要であり,市町村や地域によって違ったものになるため,地域ケア会議から始めると地域包括ケアシステム構築の推進につながると考えます。
地域ケア会議の目的としては,① 多職種協働によるケアプランの再考,② 自立を阻害する原因の追究,③ インフォーマルサービスの活用,④ 地域課題の抽出,⑤ 参加者全員のon the job training(以下,OJT)機能となります。大分県においては,地域ケア会議の助言者としてリハ専門職などがかかわっています。2012年は295名,2013年は894名のPT,OT,管理栄養士,歯科衛生士が,2014年は1,439名,2015年は1,700名のPT,OT,ST,管理栄養士,歯科衛生士,薬剤師などがかかわりました。地域ケア会議に出される事例は大きく分けて,自立支援の視点がより必要な事例と課題解決が困難な事例がありますが,大分県ではリハの視点が重要となる自立支援事例を優先的に行いました。
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