連載 地域精神保健の展開—精神保健センターの活動から・10
大分県精神保健センターの取り組み—こころの健康フェスティバルを中心に
東保 みづ枝
1
1大分県精神保健センター
pp.712-715
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901129
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【はじめに】
精神保健センターの行う業務のうち,広報普及活動は,精神障害に対する理解がいまだ社会に乏しい現状では,重要なものと考えられる.昭和44年3月の「精神衛生センター運営要領」では広報普及はセンターの業務の3番目に取り上げられ,「センターは,全県的規模で一般住民に対する精神保健知識の普及啓蒙を行うとともに,保健所が行う広報普及活動に対して専門的立場から指導と援助を与える.広報普及活動の実践に際しては,地域住民の現状をよく把握し,観念的になることを避けなければならない」とされている.この運営要領に沿った活動として,各種の大会や講演会がセンターの主催で開催されて来た.しかし,現実にこれらの会を催してみても,参加するのは障害者とその家族,医療や保健・福祉に携わる人,その他の行政職員など,一部の関係者に限られてしまうことが多かった.正しい精神保健知識をもってほしい“一般住民”に対しては,なかなか普及のチャンスがないのが実態である.
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