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医療と農業の共生を目指す地産地消とリハビリテーション—緑秀会 田無病院
pp.159-161
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210909
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■給食で地産地消に一役
田無病院が位置する東京都西東京市は「都市と農業が共生するまちづくり事業」の一環として,地産地消を推進している.2014年に院長に就任した丸山道生氏は,この立地を生かさない手はないと考え,「老いても足で歩くまち,老いても口から食べるまち,西東京」というキャッチフレーズを掲げ,リハビリテーションと栄養に力を入れた.患者さんが安心して食べられて,地域の農業に貢献できればいい.そんな思いから,「地産地消給食プロジェクト」を始めた.市の担当課からJAの農友会を紹介してもらい,協力を得られた.
栄養科長の工藤正美氏は,「農家さんが直接届けてくれるので安心ですし,地元の野菜だと知ると偏食気味の患者さんも食が進むようです」と言う.野菜の旬と献立とのマッチングの手間や,少量発注の割高感はあるものの,食事に用いた野菜の産地と生産者を記したポスターが病棟でも話題となり,栄養士や調理師のやりがいにもつながっているという.
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