連載 医学ジャーナルで世界を読む・5
戦争・サプリメント・メディア報道
坪野 吉孝
1
1東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野
pp.330-331
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100871
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米英軍によるイラク攻撃が開始された.本稿執筆時点(3月26日)で,首都バクダッドに向けて進攻の途上にある.ふだんは新聞の代わりに医学ジャーナルを眺め,世情に疎くなりがちな筆者も,メディアの伝える情勢の変化を注視している.
とはいえ,日々の報道を追いかける以上に重要なのは,今回の戦争の背景にある要因を,正確に理解することだろう.そのために最近,米国マサチューセッツ工科大学の言語学者,ノーム・チョムスキー教授による一連の著作や講演録を,まとめて読んでいる.教授は,30歳ほどの若さで言語学理論の世界に革命を起こし,70歳を超えた現在でも研究を続けている.その一方で,ベトナム反戦運動が盛んになるずっと以前の1960年代初めから市民運動にコミットし,今日も積極的な発言を続けている.
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