特別寄稿
精神障害者施設コンフリクトへの対応―大阪府池田市での事例をもとに
柳 尚夫
1
1前大阪府池田保健所,現茨木保健所
pp.376-379
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100870
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地域の理解不足(偏見差別)から,知的・身体障害者や高齢者等が利用する施設開設に対して,地元住民の反対運動(以下,施設コンフリクト)が起こっているが,精神障害者施設についても例外ではない.他障害に比べ,精神障害者施設の基盤整備はまだまだ遅れていることから,施設コンフリクトは,各地で精神障害者の自立支援施設整備を進める上で大きな障害となっている.特に,2001年の附属池田小学校殺傷事件(以下,池田小事件)以来,地元の反対にあうケースが増えているという声を各地から聞いている.
筆者は,池田小事件が起こった地元保健所長として,また精神科医として,健康危機管理の視点で,事件への対応について発表1)しているが,「施設コンフリクト」への対応についても,池田市および大阪府の経験を踏まえて記すことが必要であると考え,本稿をまとめることにした.
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