特集 地域から取り組むリプロダクティブ・ヘルス―新しい出産像を求めて
出産を通して地域社会を支える
関根 憲
1
,
関根 憲治
2
1千葉大学大学院医学研究科(地域医療学)
2医療法人社団憲信会 関根産婦人科
pp.187-190
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100822
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子孫を残すことは,生命にとって基本的には何よりも優先されるべきことではあるが,いわゆる価値観,人生観,人間観といったものが大きく変貌してきた社会の流れの中で,1974年以来,出生率の低下が続いている.未婚化,晩婚化の進展が主な原因であるといわれているが,その背後には女性の生き方の急激な変化がある.
かつては,母になることが女性の理想の姿であるという考えが主であったが,現代社会では,女性は妻であり,母親であるだけでなく,社会人であり,一人の女性であり,「母親であること」は選択肢のひとつにすぎない.このような意識の変化とともに,子育ては,多くの困難を伴い,骨が折れて時には汚れ仕事で,様々な危険さえも伴う大きなストレスとなり,それに耐えられない女性も増加している.
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