連載 私の見たイギリス保健・医療・福祉事情[番外編]
麻薬・アルコールと性
近藤 克則
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.62-63
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100792
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今回は連載の「番外編」として,イギリスの日常生活やニュースの中から,麻薬とアルコール,性を巡る話題を紹介しよう.
麻 薬
麻薬にも,大麻(cannabis)にはじまりコカイン(cocaine),ヘロイン(heroin),マリファナ(joint)などソフト・ドラッグと呼ばれるものから,もっとハードなものまでいろいろな種類がある.このうち大麻のようなごく軽い麻薬が相当の規模で,イギリス社会に浸透している.ある調査によれば,11~16歳の使用経験者がここ数年で11%から14%に増加しており,社会問題化している.
私がこの問題に驚き興味を持ったのは,留学していた大学の授業で,ディベートのテーマとして「大麻の合法化の是非」が取り上げられたことがきっかけである.大学生でも大麻使用経験者は珍しくなく,私が話を聞いた学生によれば,2~3割はいるという.そのディベートで合法化の立場で意見を述べた学生の,あまりの迫力と説得力(?)に「こいつは使用経験がありそうだ」と感じてしまった.
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