特別記事
対談・21世紀の公衆衛生の発展に向けて―住民参加とバリアフリーが鍵
高鳥毛 敏雄
1
,
上畑 鉄之丞
2,3
1大阪大学社会環境医学(公衆衛生)講座
2元国立公衆衛生院
3聖徳大学短期大学部
pp.42-47
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100787
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わが国の公衆衛生の歩み
高鳥毛 まず,20世紀の公衆衛生の歴史を振り返ることから話をすすめたいと思います.わが国の公衆衛生の原点は,どこにあるのでしょうか.
上畑 20世紀のわが国の公衆衛生を振り返ってみると,戦後60年間に,世界でも稀に見る発展を遂げてきました.GHQは戦後,公衆衛生にかなりの力を注ぎ,保健所を核に,結核対策や伝染病対策,栄養失調対策や母子保健活動等,地域住民と一体となって公衆衛生活動を進め,それをほとんど成功させたのです.ここがわが国の公衆衛生の出発点で,原点であり,現在の平均寿命世界一,乳児死亡率の低さ世界一,という成果につながっているのだと思います.
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