特集 今日の学校保健
学校における健康推進の体系化―理念とその展開
森 昭三
1
1筑波大学
pp.8-11
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100778
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学校における健康推進は学校保健が核となって進められることになっている.したがってここでは,その学校保健について与えられた課題にそって解説するとともに,問題点を明らかにし,今後の方向性を探ることにする.
学校保健の目的と学校教育
文部科学省設置法では,「学校保健は保健教育と保健管理をいう」と定めている.しかし,昭和33(1958)年に制定された学校保健法は,第一条目的で「学校における保健管理及び安全管理に関する必要事項を定め,児童生徒及び幼児並びに職員の健康の保持増進を図り,もって学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資すること」と謳い,保健管理および安全管理についてのみを定めた法律となっている.保健教育は,この法律が制定される以前から『学習指導要領』に必要事項が定められていたという事情によって除外されたと言われる.
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