特集 医療制度改革と疾病予防活動
地域の公立病院における疾病予防活動の歩みと展望
山口 昇
1
,
林 拓男
1
1公立みつぎ総合病院
pp.861-864
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100677
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少子高齢化が進んでいる.尾道市御調町の高齢化率は約30%で,25年後の日本の姿を先取りしている.
本来,わが国の保健活動は国保サイドがこれに積極的に取り組んできた.昭和53年までは国保保健師を設置し,効果を上げてきた.その後,これらは市町村保健師となり,老人保健法施行後は市町村が実施主体となってこれに取り組み,さらに地域保健法,健康増進法と変遷を重ねてきた.中でも健康日本21では生活習慣病の予防が重視されている.
一方,国保診療施設(直診)は,国保の理念の下に当初は予防と治療の一体化を目指して設置されたが,現在では予防から治療まで,さらにその後の介護,福祉までをも視野に入れた地域包括医療(ケア)を実践し,保健事業の重要な一翼を担っている.
御調町では,国保直診である公立みつぎ総合病院を核として地域包括ケアシステムを構築し,行政と一体となって保健・医療・介護・福祉の連携を図り,住民サービスを提供している.以下,公立病院を核とした疾病予防活動の現状と今後の展望について述べる.
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