シリーズ・病院経営 健全経営への道
—地域に根ざし,地域で活動する公立八鹿病院の歩み—経営の安定こそが医療の質を確保する前提条件
谷 尚
1
Takashi TANI
1
1公立八鹿病院
pp.971-975
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209417
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はじめに
どの病院も地域医療のニーズに応えて,良質の医療を提供することを基本理念として運営されていると思う.当院も同じような目標を立ててやってきた結果,運よく昭和51年以来連続して黒字になり,かつ地域医療に貢献したことが認められて,昭和61年11月,第1回自治大臣表彰を受けた.しかしながら,当院も昭和48年より3年間連続して赤字となり,赤字解消のため構成町の負担金および経営安定のための具体策等に追われ,苦しい時代も経験したのである.当院の置かれている状況から言えば,田舎の自治体の組合立であるため,経営の安定なくしては地域医療を全うすることはできないのである.それはこれまでの経験から身をもって学んだ点である.
本稿では,筆者が赴任して以来の21年間を振り返って,これまでの歩みを述べてみたいと思う.
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