特集 認知症―予防とケアの最前線
認知症ケアの新しい動きと家族支援のあり方
中島 紀恵子
1
1新潟県立看護大学
pp.680-685
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100636
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高齢者介護研究会(代表/堀田力)が,厚生労働省老健局の要請に応じ,わが国の高齢化にとって大きな意味をもつ「戦後ベビーブーム世代(いわゆる団塊世代)」が65歳以上になりきる「2015年までに実現すべきこと」をまとめた1).
1990年代からの介護保障への制度的取り組みを経て,ようやく実った介護保険制度を検証し,より堅牢なものにするために,「介護予防・リハビリテーションの充実」「生活の継続性を維持するための新しい介護サービス体系」「新しいケアモデルの確立:痴呆性高齢者ケア」「サービスの質の確立と向上」の4つが大きな課題になると指摘した.特に,痴呆ケアの質の保証における新しいケアモデルを確立させ,バランスのよいサービスのあり方について,多角的に検討する必要性について述べている.
これが契機となって,認知症ケアに関してパラダイムチェンジとも言えるいくつかの変化が起きた.本稿では政策,家族支援,地域ケア,個別ケアの面において,筆者にとって考え浮かぶ新しい変化について述べたい.
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