特集 認知症―予防とケアの最前線
地域づくり型認知症予防事業・練馬区―その意義と今後の展望
北島 和子
1
,
紙崎 修
2
1練馬区健康福祉事業本部健康部
2練馬区健康福祉事業本部福祉部
pp.676-679
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100635
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平成15年4月から10月末における,東京都練馬区の認定調査結果によると,要介護認定高齢者の約6割に何らかの認知症の症状がみられ,特別養護老人ホームでは,入所者の約8割が何らかの認知症を有しているという実態が明らかになっている.
今や認知症高齢者対策は,地域に密着した自治体が最も優先して取り組まなければならない課題の1つになり,認知症高齢者の尊厳を維持したケア体制の充実や相談体制の充実とともに,認知症にならないための予防体制を確立することが重要になってきた.
住民要望でも,平成16年度に実施された練馬区の高齢者基礎調査によると,「健康について知りたいこと」では認知症予防が第1位(28.5%)になり,地域高齢者の認知症に対する関心の高さを示している.
練馬区は認知症について,平成16年4月に「痴ほうケアシステム検討委員会」,平成17年4月に「認知症予防検討委員会」を立ち上げ,全庁的に医療職と事務職が一体となって「認知症のケアと予防のあり方」について総合的な検討を行った(両報告書とも練馬区HPに全文掲載).
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