特集 越境!公衆衛生
NASVAが実施する交通事故被害者減少対策の現状と課題
金澤 悟
1
1独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)
pp.441-445
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100579
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概説
自動車事故の防止は,国民の多くが実現を望んでいる重要な政策の1つですが,自動車の運転に携わる人,その通行する道路,そして運転する自動車と,いわゆる「ひと・みち・くるま」の三要素に関係した様々な組織・団体が,相互に連携して総合的に取り組まないと成果が挙がりにくい,大変幅も広く難しい政策課題です.
多くの国民が撲滅したいと願っている自動車事故の最近の状況を見ると,図1のとおり,平成4年の11,451人を境に減少に転じた死者数(24時間以内)は,その後も着実に減少しており,平成17年には49年ぶりに7,000人を下回って6,871人となりました.しかし,他方で事故発生件数は,負傷者数とともに昭和53年以降一貫して増加傾向にあり,平成17年に久しぶりに若干減少したものの,なお高い水準にある他,重度の後遺障害を受けた被害者数も,基調としてはなお増加傾向にあるなど,依然として憂慮すべき情勢にあります.
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