特集 公衆衛生の構造改革
地域保健におけるこれからの民間機関,NPOの役割
岩室 紳也
1
1(社)地域医療復興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.27-30
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100336
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地域保健,公衆衛生の分野でも,時代のニーズに対応すべく様々な形で構造改革が進められている.
特に平成9年の地域保健法の施行がその最たるものであった.地域保健法の施行で,従来都道府県が担ってきた直接的な住民サービスのほとんどを市町村に移管し,都道府県型の保健所はより専門的,広域的に対応できる,企画調整機能をも有する機関へと変貌することができるという,画期的なものであった.しかし,この改革は成功したとは言えない.それは,地域保健法が行政組織内だけの構造改革を目指し,新たな時代の関係者の連携像を描けないまま,社会全体を巻き込んだ新たな枠組み作りに発展しなかったためではないか.
その後,地域保健関連で制定された健康増進法や次世代育成支援対策法は,関係機関との連携を謳い,さらなる枠組みの変革を求めている.
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