特集 「健康格差社会」とセーフティネット
「健康格差社会」と公衆衛生の役割―社会的排除とセーフティネット
近藤 克則
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.88-90
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100232
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日本人の平均寿命は世界一,平均的な国民の健康度は著しく上がった.しかし,社会の上位層と底辺層の間には,無視できない健康格差がある.例えば,低所得層と高所得層との間には,うつや要介護状態の割合などで,実に5倍という「健康格差社会」1)になっている.平均では改善していても,本特集で取り上げられるホームレス,失業者をはじめ,AIDSや結核が集積する外国人・低所得高齢者など,社会の隅に追いやられている人々の中に不健康が集積しているのである.
これらの問題への個別対応はもちろん大切だが,それだけで解決する性質の問題なのであろうか?
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