特集 感染症情報
地域における平常時防疫体制の強化
広松 恭子
1
1東京都八王子保健所保健対策課
pp.884-888
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100181
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感染症は日常的に発生している.その中でも健康危機と定義されるような大規模な感染症事件が発生する前の段階を平常時と位置づけ,国,都道府県,市町村,各レベルでそれぞれの平常時対策が行われている.保健所で行っている平常時対策は,感染症発生動向調査,積極的疫学調査,施設調査・研究,知識・技術の普及啓発に分けることができる.これらの活動は並行して行われることで,相互に有機的な関連をもち,相乗効果が期待できる.
感染症発生動向調査は通常,法定定点情報を集めている地方衛生研究所レベルでデータ処理を行っているが,八王子保健所では八王子市医師会小児科部会の協力のもと,法定定点に独自定点を加えて定点数を増やし,2003年1月より独自に小児感染症発生動向調査事業を開始した.この事業を柱に,定期的な情報の収集,解析,還元を行い,地域ネットワークの構築を含む平常時防疫体制の強化に努めている.
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