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痘そうの防疫体制を考える
今川 八束
1
1都立墨東病院伝染科
pp.111
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205004
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22年ぶりの痘そう侵入!
‘入院中の患者1名がどうも痘そうらしい’との内報が東京逓信病院(以下東逓)よりもたらされたのは,3月31日土曜日正午少し前であった.すぐに関係職員が足留めされると同時に,至急調査の結果,午後3時に痘そうの疑いとして正式に届出がなされ,検体を予研に送付するとともに午後5時患者を都立荏原病院に収容,防疫活動の幕は切って落とされた.翌4月1日,厚生省は臨床およびウィルス診断の結果真性と決定,患者の家族2名も荏原病院に収容された.
患者T氏(33歳男)は同行者5名とともに,2月8日−3月16日までバングラデシュの首都ダッカに公務出張,3月18日バンコク経由で羽田着,3月23日までは平常に勤務していたが,23日午後より熱感あり,24日,25日は自宅で就床,26日午前10時すぎ東逓受診,約1時間後に内科個室に入院した.なお出張前の1月9日外務省医務室で受けた種痘は不善感であつた.
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