調査報告
これからの伝染病防疫に望まれる体制—保健所医師らに対する防疫経験のアンケート調査より
足達 淑子
1
,
中村 良子
2
,
横田 清
3
1福岡市博多保健所
2福岡市健康づくりセンター
3福岡市南保健所
pp.891-894
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901613
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伝染病の減少1)により,保健所の医師が防疫業務に従事する機会が著しく減少した.それに伴い,医師の伝染病に関する知識や技量は,その経歴により差が生じていることが推察される.
一方,全国レベルでは赤痢の集団発生なども散見され2,3),輸入感染症はさらに拡大している4,5).エボラ出血熱2)やコレラの新種6)の発生などでも,行政の迅速かつ的確な対応が要求される新たな時代を迎えている.ところが,平時の防疫体制にかかわらず伝染病の集団発生は予見不可能であり,上記の状況を考えると,保健所の現状が必ずしも十分な体制とは考えにくい.
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