連載 日本の高齢者―介護予防に向けた社会疫学的大規模調査・10
ストレス対処能力SOC(sense of coherence)と社会経済的地位と心身健康
吉井 清子
1
,
近藤 克則
1
,
平井 寛
2
,
松田 亮三
3
,
斎藤 嘉孝
4
,
村田 千代栄
5
,
「健康の不平等」研究会
1日本福祉大学社会福祉学部
2日本福祉大学COE推進室
3立命館大学産業社会学部
4国際医療福祉大学 国際医療福祉総合研究所
5浜松医科大学医学部健康社会医学講座
pp.825-829
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100170
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本稿では,健康に影響する個人のストレス対処能力とされているSOC(sense of coherence)に注目し,分析を進める.
人々は人生を健康に生き抜くために,いろいろな健康資源を活用している1,2).ここでの健康資源とは,人々が健康を保つために活用できるモノ・情報・対人関係などである.例えば,ある重大な疾患に罹ったとき,お金や人脈がある人ほど,適切な医療機関にかかり死や障害を免れる可能性が高くなると考えられる.このような健康資源には外的資源と内的資源がある1,3).内的資源としては,ヘルス・ローカス・オブ・コントロールや自己効力感がよく知られているが,最近日本でも注目されてきているのが,ストレス対処能力SOC1,4,5)である.
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