視点
公衆衛生活動としての心筋梗塞予報
碓井 静照
1
1広島県医師会
pp.258-259
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100065
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社会が健康を育むという点で,公衆衛生活動はますます重要であり,本来の「Public Health」をヘルスプロモーションの視点で進めてゆくべき時代の到来と感じている.
「してあげる」から「分かち合い」の時代へ
日常の生活の中で社会・地域・市民と同じ目線で,私たち専門家が「してあげる」のではなく,共に行う業としての医療活動が健康づくりにおける医師会活動の原点である.すなわち,相手の苦しみや悩みを専門家集団の医師会等がどのように解決するかということが,そのプロセスを含めて意義を成し,結果が相まって満足を分かち合うことになると考える.ニーズ(要望・需要)とリソーシィズ(技量・資源)を結びつける第一線に医師会活動があり,それは,ヘルスプロモーション(1986年・オタワ憲章・WHO)に基づく活動であると思う.
私は,政令指定都市広島市の健康日本21への取り組み「元気じゃけん広島21」の策定委員長として,健康づくりの新たな潮流を経験したが,ここでは,禁煙目標,健診率向上など感性や思いこみや,行政や専門家が「してあげる」的立場からではなく,地域住民と一体になって進める健康づくりを目指してきた.具体的な目的値の設定等を決めて取り組んだ結果,画期的とまで評価される事業が達成されつつあるが,本稿においては,広島県での地域保健対策協議会活動注)の最近の例から,心筋梗塞予報の実施と今後の老人保健法の行く末について述べてみたい.
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