Japanese
English
第1回眼・光学屈折学会
小型Phacometerについて(予報)
On the Small Phacometer
山崎 守成
1
Morishige Yamazaki
1
1順天堂大学医学部眼科
1Department of Ophthalmology, Juntendo University, School of Medicine
pp.905-907
発行日 1966年6月15日
Published Date 1966/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203460
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I.緒言
眼屈折の研究は現在のところPhotographicPhacometryに依る方法で,眼球の諸屈折要素の研究まで行なわれる様になつた。我々の教室では1960年吉本がPhacometryを始めて以来,学童双生児及び集団遺伝学的な屈折要素の研究を行なって,6歳から83歳に至る屈折要素が判明した。
しかしながら,眼球の発育が最も急速に行われる乳幼児の屈折の研究は,角膜屈折力,総屈折力,超音波に依る眼軸長測定がわずかに行なわれているに過ぎず,水晶体の屈折の研究は行なわれていない。屈折に最も重要な,角膜,水晶体,眼軸の三要素が測定されなければ,この年代の屈折を論ずる事は出来ないが,乳幼児の屈折研究は検査対象が精密な測定に応じられない,と云う大きな,問題がある為と,測定装置の開発が未解決である事と共に末だ行なわれていない。我々は麻酔学の進歩で乳幼児の全身麻酔が多数実施される様になった機会を利用して,乳幼児屈折研究の欠損を埋める目的でPhacometryを行なう事を考えた。全麻下と云う限定された条件ではPhacometryを行なう上に,多くの難問題が存在する。根本的には従来のPhacometerがこの条件下では使えない事であり,新たに目的に適したPhacometerを製作する必要がある。そこで,我々は従来のPhaco—meterと同じ発想で,ポータブルな小型Phaco—meterを試作した。
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