特集 結核対策新時代―結核予防法のリビジョン
ロンドンの公衆衛生体制と結核対策戦略
高鳥毛 敏雄
1
1大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座(公衆衛生)
pp.203-208
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100044
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米国,英国はわが国よりはるかに結核の少ない国である.しかし,1980年代に米国の大都市は結核の再興に苦しみ,特にニューヨークにおける多剤耐性結核患者の増加はパニックにまでなった1).そのために,国,州,地方レベルの結核対策を強化してその克服に努め2),1992年から2002年の間に,結核患者数が45%減少し,結核罹患率は半減し,5になるという見事なまでの成果を上げたことは有名である3).
これに対し,英国は,近年結核患者数の増加傾向が止まらず,最近10年間で25%増加した.このような状況にある英国の新たな結核対策の実情を見聞する貴重な機会を,2004年6月に結核研究所の石川信克先生より得ることができた.英国の結核克服のための対応は,改正結核予防法のもとで新たな結核対策を進めようとしているわが国にも参考になる点が多いと思われることから,本稿にて紹介させていただく.
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